ピラティスのコンセプトといえばピラティス氏の造語「コントロロジー(体をコントロールする学問)」。
ピラティス氏は「体は反射に支配されるべきではない、自分の意思で制御すべきだ」と言っています。
ある意味でその通りですね。
ですが、歩行はCPG(central pattern generator)という機構があり、考えなくても足は出ます。
意識して歩いている人はいないでしょう。
ということはどんな時にコントロロジーは必要なんでしょう?
進化の中で大事なのは、いかに効率的に、経済的に生命活動を維持するかということです。
つまり、考えて動くのは非効率なので、正常ではありません。
よく、ピラティスインストラクターの指導の中で、「〇〇を意識して」という言葉をよく聞きます。
下手すると、「日常から常に意識して」とまでいう人も。
その指導者は、自分自身朝起きてからずっと体のある部分を意識して生活してるんでしょうかね?
コントロロジーは、ダンスやスポーツなどのある型に入った時や、パフォーマンスを発揮する時には重要でしょう。
野球やゴルフなど多くのスポーツ選手がルーチンワークを決めて、構えの時に集中して体を制御しているのをよく見ますね。
それこそコントロロジーです。
普通の生活の中で必要なことではありません。
ピラティスを誰の何のために提供するかを考えないと、意識する非効率的な動きや生活を指導していることになります。
本末転倒ですね。
「骨盤底筋を意識して」
「腹横筋を締めて」
「足のアーチを意識して」
これらは意識するものではありません。
そんなの意識して子どもは発達して走れるようになったのですか?
一番効率的なのは、あることをトリガーに、体の全てがオートマティックに連動することです。
その鍵が「エロンゲーション」なんです。
このことが分からないピラティス指導の意義はほぼないでしょう。
腹筋筋トレならピラティスである必要はりません。
ぜひ、ご自身が関わっているコンセプトについては、広い視点で捉えるようにしましょう。
自分がやっていないことをさも正しいように伝えることも嘘つきになるのでやめましょう。
ピラティスの素晴らしさが勘違いされずに広まることを祈って活動続けます。
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川原 あけ未 (木曜日, 01 10月 2020 15:33)
改めて検索したら、尚人先生のコメントに出会えました。
納得です。最もで、大変わかりやすい説得力のある文面でした。
綾子 (月曜日, 01 2月 2021 10:19)
何を、なぜ、意識したほうがいいのか。
何を、なぜ意識しなくてもいいのか。体がすでにもっている答えに気付かされました。
コントロールがエゴにならないように。